本年度は、県議会総務委員会を担当しています。
県の予算をつくったり、税金を集めたり、市町の仕事の手助けをする仕事に関することや外国人との共生社会の実現について議論します。
下記に12月議会総務委員会においての私の質問と県当局の回答(抜粋)を掲載しますので、是非ごらんください。
○田内
分割質問で大きく3つに分けて質問させていただきます。
まず1点目ですけれども、外国人の子供の不就学について伺います。 憲法26条は、就学義務を国に限っているので、外国籍の子供の親に就学を促したり、就学実態を調査したりするのは、自治体の裁量に任されているという認識です。 そこで、県として、外国籍の子供の親に就学を促したり、また、就学実態の調査について具体的にどのような取り組みをされているのか、御答弁をお願いします。よろしくお願いいたします。
○山本多文化共生課長
静岡県では、平成25年度から、小中学校の就学対象年齢に当たる、県内に居住している外国人の子供の不就学の実態調査を行っております。調査は、市町や市町教育委員会に依頼して実施しておりまして、調査で不就学が判明した子供につきましては、市町や市町教育委員会による適切なフォローアップ、具体的には、公立学校への就学案内の通知を渡すとか、そういったところを依頼しているところであります。
その際の、市長が渡す就学案内の通知等につきまして、多文化共生課のほうでは、そのひな形を作成して、他言語版、英語、ポルトガル語、スペイン語、フィリピン語等、それを作成いたしまして、事前に市町等に配布いたしまして、就学案内の促進に努めているところでございます。以上です。
○田内副委員長
再質問させていただきたいんですけど、各市町で適切なフォローをされているということが、今、お話でありましたけれども、各市町においての対応が大分違うと認識しています。例えば、ある市町では、就学の子供がいた時点で、御自宅に訪問するところまで、やっているところがあると思いますし、逆に放置されているようなところもあるかと思います。各市町が具体的にどこまでフォローをされているのかということを、把握をされているのか質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本多文化共生課長
本年度の調査につきましては、まだ取りまとめが終わっておりませんので、昨年度の例で言いますと、市町のほうで把握して報告を上げていただきました総数としては、25人、県内でその不就学の状態のお子様がいるというふうな把握をしていただいております。その方々にもですね、一応面談等をして、就学希望、保護者からの就学希望がないとか、あと、経済的な理由で行けないとか、それとかもう学校のほうに入ることを見越して、日本語のほうを今、学んでいる最中だとか、そういったところのじょうきょうのほうを把握をして、個々の状況についても報告をいただいているところですので、放置ということではないかと思います。以上です。
○田内副委員長
御答弁ありがとうございました。 要望とさせていただきますけれども、各市町ごとの不就学の児童に対する対応というのが大きく違うという状況がないように県において御尽力いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
大きく分けての2問目に移ります。
外国人の子供の言語教育について伺います。地方自治体の取り組みでは、外国にルーツを持つ子供たちに対して、日本語の教育支援とか、あと文化交流等々、日本になじめるような支援や、日本人に対する国際理解のための取り組みは多いと思いますけれども、彼らの国の言葉を教える機会というのは、整えられていないなと、私の地元の湖西も外国人の子供が多いので、非常に感じているところでございます。文献を調べると、多くの学者さんが、母語の教育の重要性というものを訴えています。ただ、それにもかかわらず、母語の教育という言葉が全国的に浸透しないで、何となく日本語さえできればいいという認識があり一部の地域とか、私立学校でしか母語教育が実践されていないということは、大きな課題だと思っています。
例えば、今、私立学校と申し上げましたけれども、浜松市の西区の雄踏に、ムンド・デ・アレグリアという学校がありまして、私も先日、拝見しましたが、母語の教育に時間を割いておりました。ただ、子供それぞれで状況が違うと思うんですよ。日本人を含めた中でも優秀というぐらいの位置づけの子もいますし、ダブルリミテッドの日本語もなかなか厳しい、プラス母語も厳しいという子供がいて人それぞれ違います。ただ、私たち日本人も論理的に日本語で考えるように、一人一人のお子さんにですね、論理的にどの言葉で考えるかということを示して、その教育をするということは、非常に大切なことだと思います。繰り返しますけれども、大きな課題だと思っていますので、これに関して県は今どのように考えているのかということを、ぜひ御答弁いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本多文化共生課長
県及び県教育委員会におきましても、外国にルーツを持つお子様の母語教育というものは、まず子供のアイデンティティ、自分が何者であるかということを知るということ、あと、親子の、家庭内の親子のコミュニケーションの形成とか、あと、心理的安定、不安の解消とか、あとはまた日本語の能力の向上というのにも影響があると、大変重要な取り組みであるということは、県でも教育委員会でも認識はしております。ただですね、全てのお子様に、そのお子様に適した母語というのを、母語教育というのを実施するということは、行政においても限界がございますので、行政としては、外国人の保護者やその子供たちが属する外国人のコミュニティにおいて、母語教育の取り組みが進みますよう、そのコミュニティや保護者に対する意識啓発というふうな側面支援を行っております。具体的には、県や教育委員会が実施します外国人の子供の支援関係者が集まるセミナーにおきまして、その先ほど委員御指摘のように、母語教育が必要だというふうな、専門、そのようなことをお話しいただける専門家の方をお招きいたしまして、母語の重要視について伝え、外国人の子供が母語を継続して勉強することへの配慮を求めて、また保護者にも、その点を理解してもらえるように、その研修にお集まりになった関係者の方々にはお伝えしているところです。
また、県教育委員会が教育事務所に配置しております日本語指導コーディネーター、この方々が、学校を訪問いたしまして、加配の教員や外国人の担当教員、また支援員に対して指導する場がございますので、そこにおきまして、日本語指導のアドバイスをする際にも、母語教育の重要性については説明しているところでございます。
今後も機会を捉えまして、教育関係に携わる意識開発を行いまして、保護者やコミュニティを通じて、そこで母語教育の重要性というものを認識していただけるような、そういうふうな取り組みをより一層進めていきたいと思います。以上です。
○田内副委員長
要望とさせていただきますけれども、先ほど申し上げたように、もう日本人と同等か、それ以上に日本語ができる子は、そのままの学校の施設でいいのですが、そうじゃなくて、ダブルリミテッドの子だったり、母語のほうがもう相当しっかりしていると、高いレベルだというふうな子は、引っこ抜いて、例えばムンドのような学校に行かせてあげるとか、学校の中で母語勉強の機会を与えてあげるようなことをすべきと思うんですね。ですので、一度その県としても何ができるのかということを教育委員会と連携して考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
3つ目の質問に入りますけれども、国際交流協会の支援についてでございます。
県の国際交流協会は、各市町の国際交流協会の支援を県で行っていると伺っております。そこでまず1点目として、どのような支援をされているかということをお答えいただきたい、そして国際交流協会さんがどのような支援を望んでいるのか聞き取りを県のほうでされているのかどうかお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本多文化共生課長
県国際交流協会や県市町国際交流協会の支援という御質問ですけれども、県の国際交流協会につきましては、支援といいますか、多文化共生を進める上でのよきパートナー、車の両輪のような、一緒に進めていくような、そういうふうな立場だとは思っております。県の国際交流協会は、平成元年に設立された財団法人でありまして、今、基本財産9億円ございますけれども、そのうち県のほうで約8億円のほうを支出して、設立しております。それらの基本財産の運用等によりまして、それを財源にして、みずからの活動も行っているところであります。
そして、県は、その国際交流協会さんが、平成元年から長くこの多文化、国際協力に携わっているそのノウハウ、専門性のほうを非常に重要視しておりまして、県の事業という、委託事業も数多く受託していただいているところです。具体的には、私どものボランティアバンクとか、ふじのくにの親善大使とか、医療通訳とか、その事業の受託とか、あと海外の県人会への助成とか、また昨年、県が出資いたしました子供のための日本語学習支援基金の運営等、そちらのほうもお願いしておりまして、一緒に事業のほうを行っていくというふうな立場で進めております。
先ほど、湖西市の国際交流協会のほうで、県から支援を受けたというふうな話がありましたけれども、それもですね、子供のための日本語学習支援基金のほうに、湖西市さんのほうでこういう事業をやりたいということで、たしか入学とか転入に当たっての初期支援のために、集中的に講座を開きたいと、そういった事業内容だと思いますけれども、そういった事業を基金のほうに申請して、それが認められたというものでございます。
次に、各団体からどのように聞き取りをしていますかということですけれども、県は市町とは、県と市町の意見交換会、その場に市の国際交流協会さんのほうでも、出てきていただきますので、毎年そこで意見等を直接お聞きしている場もございます。また、市町の国際交流協会からは、県の国際交流協会さんのほうに連携している部分が多いものですから、日ごろからも直接意見等を寄せられておりますけれども、今までのことでも、子供の教育とか、医療に関することとか、そういったものが市町単位ではできないというふうな、そういうふうな相談もそうなんですけれども、市町の協会のほうから、県の国際交流協会のほうに意見等も寄せられていましたので、県の国際交流協会と私どもがよく話し合って、今までもそういった課題につきましては、いろいろ外国人の子供の支援員の要請とか、先ほど申し上げました基金の造成とか、医療通訳の制度とか、そういったものを事業化してきたところでございます。今後も県・市町国際交流協会、また市町とは連携をとりまして、一緒になって多文化共生のほうを進めていきたいと思っております。以上です。
○田内副委員長
御答弁ありがとうございました。
要望とさせていただきますけれども、入管法の改正で、各市町とかあと県の国際交流協会さんがやる必要な支援というのが、多分どんどんふえてくると思います。県と各市町国際交流協会さんへの支援というのは、増大をしていただきたいということが1点。 また、多文化共生という切り口で、県の仕事がふえてくることが予想されます。来年度また皆さんで組織のことをきっと考えられると思うんですけれども、仕事がふえるだろうということを見越して、多文化共生の分野で、しっかりとした人員配置というものも考えていただくといいのかなと思いますので、これも要望とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。私からは以上です。