10月8日9日に行われた企画くらし環境委員会での質問と答弁(1部抜粋)です。
答弁する側は企画広報部とくらし・環境部の2つにわかれています。
企画広報部
Q ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン」の見直しについて、平成27年度を目途に行われる予定であるとうかがっているが、現時点の方向性、検討状況をうかがう。
A エネルギーの安定供給の確保という観点から、震災等も踏まえ、分散型エネルギーの導入を進める必要があるという中で、新エネルギー等の導入を進めていく、あるいは環境に適合したエネルギーを推進していくということで倍増プランを策定し、現在、新エネルギー等の導入を推進しているところである。そうした策定の背景も踏まえ、また、毎年プランの進捗評価を行っているので、その評価等も踏まえ、来年どのような見直しをするのか、検討していきたい。
Q エネルギー政策の所管が企画広報部とくらし・環境部に分かれている。一緒にしたほうがやりやすいのではないかと思うが、所見をうかがう。
A エネルギー政策には、エネルギーの安定供給確保という観点から、分散型エネルギーの推進ということで新エネルギー等の導入、電源立地の推進ということで電源立地地域の振興、くらし・環境部でやっている省エネルギーの推進ということでライフスタイルの変革といった取組、エネルギー関連産業の振興といった面もある。
そうしたことを全体としてやっていかなければならないと考えており、くらし・環境部とはエネルギーの安定供給、新エネの施策と省エネなどの施策は一体的に進めていかなければならないと思うので、不可分のものとして取り組むようにしていきたい。
Q 浜岡原発の再稼動であるとか、国のエネルギー基本計画におけるベストミックスが決まっていないということが、今後倍増プランの見直しに関して、影響が出てくると思うが、それについて答弁願う。
A 本県のエネルギーを考えた場合、例えば電力では、東京電力、中部電力とも、管内が複数の都道府県にまたがって供給をしているため、本県だけでエネルギー政策を考えることの限界があると考えている。そういうこともあり、原子力発電所も含め、本県のベストミックスを考えることも難しい面があると考えている。プランの見直しをどうするかということの中で、研究をさせていただきたい。
Q 人口減少対策については、特別枠で予算を確保すべきと考えるが、状況はどうか。
A
予算の編成は、経営管理部の所管事項であるが、昨年度の予算編成方針では7%の削減枠が設定されていたが、人口減少対策などの重点項目については、所要額を要求できることになっていた。
来年度の予算編成については、現在、財政課が検討を進めているところで、コメントする立場にないが、日頃から連携を図っており、来年度においても人口減少対策をはじめとする総合計画の重点取組の着実な推進を図っていくことが大命題であるということに関しては、共通認識が図られていると考えている。
Q 「ふじのくに地球温暖化対策実行計画」の見直しは、国の動向を踏まえて、どのような見直しを検討しているか伺う。また、国の3.8%という目標に付随することなく、県では独自に、より厳しい目標とするということでよいか?
A 東日本大震災や原発事故後の社会の変化を受けて、国では昨年、平成17年度比で3.8%温室効果ガスを削減するという目標を設定した。この目標はエネルギー構成が固まっていない現時点での暫定的な目標値と位置付けされているが、省エネ等の温暖化対策は進めていかないと間に合わなくなってしまう。
現在、県民や事業者の取組が促進されるような前向きな実行計画にしていきたいということで、県民会議に諮って検討しているところである。
化石燃料が多くなっているという状況はあるが、省エネに前向きに取り組めるように、目標数値は国よりも大きな数字にしたいと考えている。
Q 自然エネルギー施策と省エネルギー施策の担当部署が分かれている。元々、くらし・環境部にあったものだが、元に戻したほうが職員はやりやすいのではないか?
A 平成23年度まで当部において一緒に進めていた施策であり、新エネ施策と省エネ施策はエネルギー政策だけでなく地球温暖化政策上、両輪の施策なので、一体でやるのが理想的であり、原則的には一体でやるべきではないかと考えている。
Q 女性の指導的地位への登用というのは、特に大手企業の取組が重要である。企業への働き掛けをどのように行っていくのか。
A 現在国において女性の活躍推進に関する法案の成立を目指す動きがあるが、法案成立後、それに基づいた施策を進めていくことになる。
一方で、女性が企業などで指導的地位に立って活躍するためには、多くが男性、企業であれば経営者の意識の問題、それから女性自身の問題という大きく二つあると思われる。そのため、県では今年度、先進事例の紹介も含めた経営者向けのセミナーの開催と「ふじのくに なでしこサミット」の開催を予定している。
また、企業に対して、女性の登用が進まない理由について、経済団体に協力してもらい、課題や行政が行うべき支援策など、今年度中にアンケート調査を実施したいと考えている。そのアンケート調査により、具体的な支援策などが出てきた場合は、それに答えるように努める。
今後については、今年度開催の「ふじのくに なでしこサミット」を一過性のものに終わらせることのないように定期的に開催するとともに、来年度は男性経営者に対して情報交換や問題提起を行うような機会をもつて、経済界も一緒になって活動できるような官民連携の組織づくりを行い、社会全体の機運が女性登用に向けて高まっていくような取組を行っていく。
くらし・環境部
Q 空き家には、つぶれそうで命の危険のあるものと、まだまだ資産として使えるものの2つの観点があるが、両方の観点から県としてどのような取組をしていくのか伺う。また、 危険空き家について、国の法律の制定の話があったが、法律の概要や検討状況は。
A 老朽空き家は、防災や防犯機能の低下、景観の悪化等、周辺住民に悪影響を及ぼす可能性がある。
全国的に空き家の適正な管理に関する条例の制定が進んでおり、平成26年4月現在、355の自治体が条例を制定し、県内では3つの市町が条例を制定している。
このような中、国において、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の制定が検討されている。
県としては、老朽空き家の発生を未然に防止するため、市町や庁内関係部局と連携し、特別措置法の内容を確認するとともに、先進自治体の条例や取組を参考にしながら、有効な対策等を検討したい。
平成25年の国の調査によると本県の空き家は約27万戸で、そのうち、別荘や中古住宅市場に流通している賃貸用住宅等を除いた空き家は約8万戸あり、これらについて、賃貸や売買などを促進させ、住み替えなどの需要を喚起していきたい。
それには、雨漏りや痛んでいる箇所等建物検査を行い、それらをリフォームすることで、消費者が安心して購入や賃借できる住宅として、中古住宅市場に流通させ、子育て世帯などライフステージに応じた住み替え需要を喚起して、空き家の活用を図っていく。
まず、三島市の光ケ丘団地においてモデル事業を進めている。この光ケ丘団地は昭和40年代に開発され、高齢化等により空き家が発生又は発生する見込みがあり、一戸建て約400戸を対象とした2ヵ年事業である。
実施主体は、宅建協会等をメンバーとする静岡不動産流通活性化協議会で、県、三島市と連携し、9月から実施している。
まずは団地内の空き家等実態を把握するため、アンケートを実施し、賃貸や売買の意向がある人達にヒアリングを行い、希望する人には国の補助金を使って建物検査やリフォームを行う。その後の中古住宅市場への流通は、事業主体である宅建協会等にゆだねる。
国が検討している法律は、議員立法として当初は春の通常国会に提出を予定していたが、現在は、秋の臨時国会への提出を目指している。
法案の概要としては、空き家対策の基本方針の策定を国に義務付けるとともに、市町村に空き家の立入調査権を与えるほか、撤去や修繕の命令を所有者に出させること、国や都道府県が市町村に税財政支援を行うなどの内容が盛り込まれると聞いている。