平成28年6月定例議会が7月19日に閉会になりました。
本年は文化観光委員会の委員長を務めていますので、県議会本会議最終日に行いました委員長報告(委員会の内容を要約したもの)を掲載いたします。
文化観光委員会における審査等(とう)の概要(がいよう)と結果について、御報告いたします。 今回、当委員会に付託されました案件は、第95号議案「平成28年度静岡県一般会計補正予算」外(ほか)2件であります。
まず委員から、議案第95号に関し、“しずおかで過ごそう”被災地児童等招待事業の意義や効果についてただしたところ、当局から、東日本大震災の際にも同様の助成事業を実施し、NPO法人等が事業主体となりイベント等での交流を通じて被災地の子供たちの不安の解消を図った。参加した児童・生徒や保護者からは、「不安が少し和らいだ」、「静岡が好きになった、大人になったらまた来たい」といった声をいただくなど被災者支援と交流促進の面で非常に有益な事業であったと評価している。熊本地震で被災した児童・生徒等を本県に招待する今回の事業についてもすでにNPO法人等が関心を寄せており事業実施に前向きな団体は多数あると考えているとの答弁がありました。
次に、世界遺産富士山の保存管理に関し、資産の保全状況等に関する報告書の作成に当たっての最大の課題についてただしたところ、平成25年に富士山が世界遺産登録の決議を受け、今年の1月に保全状況報告書をユネスコ世界遺産センターへ提出したが、中長期的な対策として登山道の収容力を研究した上での来訪者管理が必要となっている。そのため平成29年までに調査を行い、平成30年の夏の登山シーズンまでに適正な収容力を設定し、来訪者管理戦略を策定していくとの答弁がありました。
次に、官民の観光関係者で構成する全県DMOの設置に向けた取り組み状況についてただしたところ、伊豆、中部・志太榛原、浜名湖といった各地域の観光地づくりは、その推進組織である各地域のDMOを中心に取り組みが進められている。そうした中、県下全域を対象に活動を行う全県DMOの目指すべき方向性について、現在、市町や市町観光協会、民間事業者等と意見交換会を重ね、その担うべき役割や機能、組織体制について整理を行っているところである。特にインバウンドについては県全体での対応を望む意見が強いことから、主要事業と位置づけてその対策に力を入れていきたいと考えている。今後は、全県DMOの事務局を担う静岡県観光協会内にマーケティング調査や戦略策定、データ分析などを行う職員や、各地域からの問い合わせに対応するワンストップ窓口の設置に必要な職員の採用を行っていくとの答弁がありました。
次に、富士山静岡空港における先行事例を参考にした新たな運営体制の構築に向けた取り組みについてただしたところ、公共施設等運営権制度の導入については、国管理空港の仙台空港や高松空港が先行しており、両空港の利用者数は、それぞれ約300万人、約180万人と静岡空港の利用者数とは異なる状況にある。また両空港では、滑走路などの基本施設は国が保有し、ターミナルビルは民間事業者が保有しているが、静岡空港は県が基本施設とターミナルビルを一体的に保有するなど国管理空港とは異なる状況にあるため、事業方式などについては、静岡空港に合うものを選択しなければならない。このため民間事業者からの意見を伺いながら実施方針をまとめていきたいとの答弁がありました。
そのほか、●開館30周年を迎える県立美術館のこれまでの総括と今後の取り組み、●富士山保全協力金に関し、受付時間の見直しによる目標金額達成の見込み●総合教育会議の協議内容、●スポーツの競技力向上策、●県学生会館富士寮の活動を顕彰することに対する考えなどについても質疑等(とう)がありました。
以上が当委員会における審査等(とう)の概要でありますが、結果といたしましては、議案第95号、第96号及び第103号は、全員一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上で委員長報告を終わります。