去る9月26日、県議会一般質問を行いました。
質問項目は
1 浜名湖の環境改善について
2 ドクターヘリの夜間運航について
3 サイクルスポーツの聖地づくりに向けた県内連携と県外連携について
4 家庭や企業における花卉利用について
5 未利用となった県有施設の建物付き土地の売却につい
6 定時制高校について
7 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについて です。
質問と答弁を掲載しますので是非ごらんください。
渥美泰一君)
次に、二十一番 田内浩之君。
(二十一番 田内浩之君登壇 拍手)
○二十一番(田内浩之君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として、県政の諸課題について通告に従い、知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に、分割質問方式にて質問いたします。
初めに、浜名湖の環境改善について伺います。
浜名湖は地域の方々に安らぎを、そして豊かな水産物を提供してくれています。つまり、景観、観光の場としての庭、そして、漁業生産の場としての畑のことです。
しかし、浜名湖の状況を鑑みると、今切口の固定化工事等に伴う塩分濃度の上昇や、底質の環境悪化等、複合的な課題が数多くあり、事実、アサリ、クルマエビ、ガザミ等、水産物の漁獲高の減少も改善が見られません。
しかし、現在、県には浜名湖の環境保存計画はなく、「ふじのくに生物多様性地域戦略」の地域別個別計画の一つとして位置づけられているのみです。
瀬戸内海においては、環境省主導により、今後の瀬戸内海の水環境の保全を総合的に推進するために必要な助言を得るため、平成二十二年九月に「今後の瀬戸内海の水環境のあり方懇談会」を設置し、同懇談会における論点について「今後の瀬戸内海の水環境のあり方の論点整理」が取りまとめられました。この中では、今後の方向性として、地域の協議による水環境目標の設定や底質の環境回復、そして多数のダムが建設され、森、川、海のつながりが切れたことに対して言及した上で、健全な水・物質循環機能の回復が打ち出されており、具体的な対策も進んでいます。
例えば、岡山県では、大々的にカキの殻を海底に敷き、底質改良事業を行っているところです。浜名湖の現状をよしとせず、昔のころの豊かな湖の再生を目指し、浜名湖においても有識者を交え専門的な観点から環境保全計画を策定して、対策に取り組む必要があると考えますが、県の所見を伺います。
次に、ドクターヘリの夜間運航について伺います。
二〇一一年のジェイレスキューという雑誌の三月号において、当時聖隷三方原病院院長補佐だった岡田眞人医師は、ドクターヘリの夜間運航の役割について「医師が必要とされる特殊な病気や小児新生児の夜間搬送、これこそがドクターヘリの役割ではないか」と述べています。私もまさしくこのとおりだと思います。
私が言うまでもなく、県内の、特に医療資源の少ない地域では、ドクターヘリの夜間運航の実現が望まれていますが、ドクターヘリを運航している四十二道府県において、夜間運航を実現している道府県がないことが示しているように、医師の体制づくり、ヘリ操縦士の確保、夜間飛行の安全対策等、高いハードルがあることも認識しています。
しかし、時間がかかったとしても、これらの課題をクリアし、ドクターヘリの夜間運航を実現することは、県民の命を守ることに直結します。
そこで、県はドクターヘリの夜間運航実現の課題をどのように認識しているのか、県の所見を伺います。
次に、サイクルスポーツの聖地づくりに向けた県内連携と県外連携について伺います。
県は、国内外のサイクリストの憧れを呼ぶ聖地「ふじのくに」の実現に向けた取り組みを着実に進めており、私の地元の浜名湖においても、県や市等の協力により、道路等のハード整備やサイクリングコースのPR等のソフト事業に力を注いでいただいていることは高く評価をしています。そして、さらに多くのサイクリストを呼び込むことができる潜在力を浜名湖は持っていると考えますが、そのためには各種団体や行政、交通機関や商工団体との連携が重要と考えており、県内のみならず、県外との連携もより進めていく必要があると考えています。
サイクリングで有名になっているしまなみ海道では、広島県と愛媛県が連携し、サイクリングマップの作成や、案内表示の統一を進めてきたと聞いており、こうした連携の成果が訪問者の増加につながったものと思われます。
本県においては、浜名湖と茨城県の霞ケ浦、滋賀県の琵琶湖が湖を一周するという共通性から、サイクリングを生かした地域振興で連携することが五月に決まりました。関係自治体の担当者らによる初会合が、同月十八日、茨城県土浦市で開催され、次回は十一月に浜名湖で三湖連携のミーティングが行われ、それぞれの取り組みについて情報交換するとともに、相互に魅力発信をする取り組みが始まっています。今後は、この三湖連携のほか、静岡空港の就航地との交流にも期待が膨らみます。
そこで、浜名湖を初め県内各地でサイクリングの活性化を進めるに当たり、県内や県外との連携についてどのように取り組みを進めるのか、県の所見を伺います。
次に、家庭や企業における花卉の利用について伺います。
静岡県はふじのくに「花の都しずおか」づくりの推進を掲げており、全国五位の産出額を誇る全国屈指の多彩で高品質な花卉類の生産県として、花卉生産の振興に取り組んでおります。
私の地元湖西市でも、日本一の生産量を誇るコデマリ、そしてクルクマ、スプレーマムなど、たくさんの美しい花が生産されています。しかし、花の消費は頭打ちになっており、静岡県も花の購入金額は必ずしも高いところにはないと思います。家計調査年報によると、静岡市の一世帯当たりの「切り花」年間購入額は、平成二十八年度の県庁所在都市別順位において、三十四位にとどまっており、やはり、家庭だけではなく、企業等いろんな場面で使っていただくようなことを進めていくということが大切だと感じています。
また、さまざまな研究により、花卉はストレス軽減や体調コントロールにおいて、いい効果があると実証をされていますので、県民の健康促進という意味でも花卉利用を進めていくべきと考えます。では、いろいろな場面で使っていただくようにするためには、どのようなことをしていけばよいのでしょうか。
若手の花卉栽培の方々とお話しすると、販路の開拓ということに非常に意欲的なので、予算をとって若手の農家の方に、企業や家庭にアプローチする手段を考えてもらい、三十五市町の卒業式や入学式に、なるべく地元で生産している花を使うように働きかけるのはどうでしょうか。また、企業の事務所に地元のお花をいけていただけるような取り組みもいいのではと考えます。
そこで、今後、静岡県として花卉の利用促進をどのように進めていくのか、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田内議員にお答えいたします。
サイクルスポーツの聖地づくりに向けた県内連携と県外連携についてであります。
本県では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催を契機に、サイクルスポーツの聖地づくりに取り組んでおります。浜名湖周辺や伊豆地域での矢羽根型路面表示や、バイシクルピット等の受け入れ体制整備に加えまして、県内各地域で市町や民間によるコースマップの作成やレンタルバイクの充実などの取り組みが加速しているところであります。今後、より一層の県内連携を図り、県全体を一つのブランドとして打ち出すことが重要であります。そこで、各地域で呼称が異なる休憩スポットの名称の一本化、質の高いサイクリングガイドの養成、そのノウハウの共有、これを進めるなど、ブランドイメージの統一化を図ってまいります。
また、他県との連携も重要であります。議員から御紹介いただきましたように、浜名湖では、琵琶湖、霞ケ浦との連携が進んでおります。来る十一月には、浜名湖で三つの湖の連携ミーティングが開催され、連携の具体化に向けた意見交換や、浜名湖一周の「ハマイチ」試走会を行うなど、連携に向け交流を深めることとしております。
一方、富士山一周や、太平洋から日本海につながる塩の道を活用したサイクリングルートの開発など、隣接県との連携も進み始めております。さらに、本年十月には、街道、人の往来する「街道」を核として、地域活性化や観光振興を考えるシンポジウム「日本風景街道大学」が、サイクルツーリズムをテーマに、本県で開催されることになっています。全国から集う自転車の振興に携わる方々との情報共有や意見交換を通じまして、地域間連携による交流拡大を図ってまいります。
この連携は、いまや海外にまで広がっております。三年前、平成二十七年、本県とイタリアのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州とは、協定を締結いたしました。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州には、ゾンコラン山という山があります。その山は決して高い山ではありませんけれども、頂上に登りますと、サイクリングで登るわけですが、南アルプスの絶景を望めるということで、それを目指して皆さんが、平均二十二度の勾配を自転車で登るということでございますが、そこからラブコールがございまして、平成二十八年からフジ-ゾンコランという、お互いの山の名前を冠した大会が開催されております。そして、交互に参加をしているところであります。
また、富士山静岡空港の就航先である台湾とも、市町や民間団体が、自転車イベントを通じた交流を深めており、県もこうした取り組みを積極的に支援しているところであります。
県としましては、本県がサイクリストの憧れを呼ぶ“ふじのくに”として、しまなみ街道にまさるとも劣らない聖地としての存在感を国内外に発揮できるよう、県内外の自治体を初めさまざまな団体等と連携をしながら、積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 難波副知事。
(副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 家庭や企業における花卉利用についてお答えをいたします。
本県は、生産額全国一位のガーベラを初め、七百四品目もの多彩な花卉を生産する全国屈指の生産県であり、花と緑にあふれる花の都づくりを目指して、県産花卉の利用促進に取り組んでいるところであります。
議員からの御提案につきましては、全国の切り花の消費が減少する中、新たな花卉の需要創出につながるものであり、県といたしましても、積極的に取り組んでまいります。
具体的には、販路開拓に意欲的な若手生産者と、花の消費拡大に取り組む生花店やフラワーデザイナーが加盟するNPO法人との意見交換の場を設け、家庭や企業への花の利用提案について御意見をいただき、今後の販路開拓に生かしてまいります。また、卒業式や入学式での県内生産の花卉利用に結びつくよう、幼児から小中学生を対象とした生産者による花育講座や、高校生が参加するフラワーデザインコンテストを開催しているところありますが、来年二月に開催するコンテストに向け、学校訪問の充実や事前のフラワーデザイン研修を通じて、一校でも多くの学校が参加いただけるよう、働きかけてまいります。
さらに、積極的に花卉を利用する企業を「お花自慢の職場宣言」事業所として募集し、県ホームページで広く紹介する仕組みを設けたところであります。花を飾ることが、お客様のおもてなしや働く方々のいやしにつながることから、病院、福祉施設、宿泊施設などをターゲットに、花のある職場づくりの拡大に努めてまいります。
こうした中、来年は浜名湖花博から十五周年を迎えることから、「浜名湖花博十五年目の春・浜名湖花フェスタ二〇一九」の開催に向け、地域の花の会や花緑アドバイザーの皆様と連携して、会場の花壇づくりに取り組むなど、これを契機として、家庭や企業における新たな花の利用を提案してまいります。
県といたしましては、生産と消費の両面におきまして、全国に誇れる花の都となるよう、若手生産者を初め花卉関係者の皆様と連携をし、花卉の生産拡大と利用促進に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
(くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 浜名湖の環境改善についてお答えいたします。
県では、「うるおい」や「やすらぎ」があり、快適で豊かな浜名湖とするため、「浜名湖水環境保全計画」により、平成十三年度から二十二年度まで十年間に及び、生活排水対策や環境美化活動の推進等に取り組んでまいりました。さらに、昨年度、有識者に検討いただき策定した「ふじのくに生物多様性地域戦略」におきまして、浜名湖を、「今後ますます生物多様性の保全と持続可能な利用の視点が重要となる地域」の一つに位置づけ、豊かな自然環境の保全や水産資源の管理等に取り組んでおります。
具体的には、流入する河川の水質改善の取り組み、浜名湖クリーン作戦による清掃や生物の繁殖場所となる干潟や藻場の保全に向けた活動等を実施しております。また、アサリ資源をふやすため、人工増殖やアカエイなどの食害を防ぐ漁業者の取り組みの支援などを進めております。
県といたしましては、生物多様性地域戦略の推進に当たり、策定に参加いただいた有識者からなる進捗を確認する会議におきまして、個々の対策の評価や今後の効果的な取り組みについての助言をいただきながら、地域住民、事業者、関係市と連携し、豊かな浜名湖の再生を目指し、環境改善に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
(健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) ドクターヘリの夜間運航についてお答えいたします。
ドクターヘリの夜間運航につきましては、平成二十年度から、ヘリコプター運航の専門家や、運航会社、基地病院などで検討を行っており、あらかじめ定められた二カ所のヘリポート間を、目視によらない計器飛行方式で行うことが適当とされましたが、さまざまな課題があり、実現に至っておりません。
具体的には、航空法上の飛行場として認められる十分な空域や、運航に必要なさまざまな設備を備えたヘリポートの整備が必要であり、設置場所や騒音対策などの課題があるほか、専用の飛行経路を国が開設することや、訓練を受けた複数のパイロットの確保が必要となるなど、克服すべき多くの課題があります。
他県を見ますと、埼玉県が平成二十一年から二十二年まで、消防防災ヘリを活用して夜間の救急搬送を行っておりましたが、日中の救助活動中の墜落事故を受けて中止しているところであり、現在、国内ではドクターヘリの夜間運航を行っている地域はありません。また、平成二十六年三月に、全日本航空事業連合会がまとめたアメリカのドクターヘリの夜間運航に関する報告書によりますと、夜間の事故率は日中に比べ約四倍と報告されております。
一方、本県のドクターヘリは、平成十三年十月に運航を開始して以来、今年の七月末までに、一万九千回以上無事故で出動し、多くの県民の救命救急に貢献しております。
県といたしましては、今後とも運航の安全の確保を最優先として、国土交通省を初め、ドクターヘリ基地病院や運航会社、関係市町と連携して、夜間運航の実現に向けて検討を続けてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 田内浩之君。
(二十一番 田内浩之君登壇)
○二十一番(田内浩之君) 御答弁ありがとうございました。
二点要望、二点再質問させていただきます。
まず、要望でございますけれども、サイクルスポーツの質問に対して、知事、御答弁どうもありがとうございました。要望なですけれども、やはりこう、特に三湖連携のところですが、三つの湖をまわったことに対して、何かしらのノベルティがもらえるといいなと感じているところでございます。なぜこんなことを申し上げるかというと、今、サイクリングのNPOを立ち上げて、地元でも活動しているわけですが、浜名湖を一周された方が一周すると何か賞状をもらえたりしないんですかと、お問い合わせをいただくことがあります。三つ湖をまわったら何かすばらしいものがもらえるような、取り組みもいいのかなと思いますので、またぜひ、御一考いただければと思います。
そしてあと、サイクリングの要望の二つ目ですけど、やはり海外へのPRというものを、その三湖全てでやっていくと、非常に効果も出てくると思います。いずれもすばらしい湖かと思いますので、ぜひ県の御支援をいただければと思いますので、要望とさせていただきます。
あと二つ目の要望でございます。花卉の利用についてでございますけれども、難波副知事、御答弁、非常に前向きな御答弁をどうもありがとうございました。
二つ要望がありますが一点、私も勉強不足だったんですけど、静岡県でどのぐらいの花が消費、要は個人とか企業で消費されているのかという数値がないそうです。ですので、抽出でも結構かと思いますので、数字を把握して、それに向けて頑張るという取り組みも必要かなと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
お花の二つ目の要望ですけれども、地元の花が買える場所と、さっきもね、副知事が、失礼しました、お花が買える場所という言葉もありましたけれども、やはり地域にすばらしいお花があっても、そこのお花が手軽に買える環境というのをつくる必要があると思います。例えばですね、私も先日、クルクマというすばらしい花をフェイスブックに載っけたところ「これ、どこで買えますか」というお問い合わせがたくさんありました。ただ、地元の花屋さんに聞くと、意外と地元の花を扱っているところが少ないのが現状です。ぜひ地元の花屋さんに、地域の花を率先的にそろえていただいて、それをPRするという動きもしていただけるとありがたいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、二点、質問をさせていただきます。
浜名湖の環境改善についてすが、部長から、生物多様性地域戦略で対応しているというような御答弁がありました。ただ、私からするとですね、それでは少し弱いなと考えています。やはり、浜名湖の問題点というと、私は大きく今、三つあると思います。二つは質問の中にも織りまぜましたけれども、まず一個は塩分濃度でございますね。やはり塩分濃度というのは、大規模な、作澪といって、船の航路をつくることですけれども、大規模な作澪が浜名湖で行われた一九七〇年から八六年あたりですね。そこから、やはり塩分濃度が突如、急激に上がって、今、高どまりしているような状況でございます。実際、浜名湖の中で一生を過ごすような、ガザミとかハゼの収穫高というのも、激減しております。これ、やはり何かしらの関連性があると論文でも位置づけられているようなこともありますので、これについての影響調査というものは、しっかり入れていただきたいなと思います。
そしてあと二番目、底質でございます。感覚的な物言いで申しわけないんですけど、浜名湖の底が、確実にかたいところがふえているというのもですね、漁師の方からも聞きますし、私も実感としてございます。そこに関してもやはりしっかりと調査を入れていただくと。
三番目ですね。あとは浜名湖の栄養分ということに関しても、一度調べていただきたいなと思います。
先日、ちょっと国土交通省に行ってですね、お話を聞いてきました。何のお話を聞きに行ってきたかというと、天竜川の一部のダムで、ダムにたまった土砂をしゅんせつして、下流に置くという実験をされたそうです。そうすると、やはり下流域の環境が非常によくなって、魚がたくさんすんだり、藻がふえたりしたそうです。浜名湖もやはり同じことが言えて、浜名湖もダムができたことによって、浜名湖の栄養分が少なくなってしまって、魚が減ってしまっていると、感覚的な物言いで申しわけないんですけれども、漁から要望をいただくときも多々ございます。その塩分、底質、あとは浜名湖の栄養分という、ちょっと三つが私、課題だと思っておりますので、改めてそれについてどのようにお考えなのかということをこの場でお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
二番目のドクターヘリの夜間運航についてですが、御答弁ありがとうございました。認識していただいている課題は、多分私と同じかと思います。ただですね、一番のやはり課題は、夜間巡航時に安全を保てないというのが、一番の問題だと思っております。ヘリの操縦士の方にお話を聞いたところ、夜間、特に雲の中を飛んでいると、ぱっと暗闇が見えたとき、それが海の底なのか、空なのか、わからなくなってしまうそうです。そういったことも含めて、夜間の巡航をどのように安全を確保するかというような課題がございますけども、航空局に対する働きかけを四十七都道府県に協力してもらって働きかけるということも必要かと思います。そこで、現在、そういう取り組みを今、されているのか、それともこれからされるおつもりがあるのかということをお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 浜名湖の環境改善についてお答えいたします。
浜名湖を生物多様性地域戦略におきまして、浜名湖を特別な地域と位置づけて対応しております。その中で、課題等も整理した中で対策を打っておりますけれども、今、議員御指摘の塩分濃度、底質の問題、それから栄養分の問題、こういう問題もあるということを御指摘いただきましたので、今後、今、進めております対策等を進めていく中におきまして、策定にかかわっていただきました有識者の皆様に御検証いただく中で、こういう影響もあるのかどうか、確認しながら進めていきたいと思います。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) ドクターヘリの夜間運航についての再質問でございます。
現在、確かに他県と連携して、国土交通省への要望というのは行っておりません。今後ですね、ドクターヘリを運航しております他の都道府県と連携いたしまして、国土交通省の航空局に、必要事項につきましては要望していきたいと考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 田内浩之君。
(二十一番 田内浩之君登壇)
○二十一番(田内浩之君) 御答弁どうもありがとうございました。
二点要望とさせていただきます。
まず、浜名湖の環境改善についてでございますけれども、今、課題は認識をしていただいたかと思いますので、生物多様性地域戦略において、課題を認識して対応するのではなくて改めて、浜名湖の環境の保存計画というものをしっかりつくっていただきたいと思います。これは要望にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
あと、ドクターヘリの夜間運航についてですが要望です。是非他県とですね、連携をして、またぜひ働きかけをしていただければと思います。そして、もし航空局が、夜、管制をしいてもいいですよというような回答がきたら初めて三方原聖隷病院にお願いができる、環境になるかと思いますので、先手を打って病院側に協力を求めていただくということも必要かなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移ります。
次に、未利用となった県有施設の建物付土地の売却について伺います。
県は、静岡県の新ビジョンにおいて、政策の実効性を高める行政経営の取り組みとして、県有資産の最適化を掲げています。将来の行政需要に応じた施設総量の最適化を図る中で、既存施設の統廃合などが行われ、中には、まだ使えそうな施設が未利用となるケースも多くなってくるように考えております。
例えば、私の地元、湖西市の旧新居町地区で移転が計画されている湖西警察署庁舎は、昭和五十四年の建設後、約四十年が経過をしていますが、一定の改修を行えば、まだ利用可能なように見受けられます。このため、地元から私には、移転後の庁舎の利用について津波避難施設としての活用、地元自治会施設としての利用など、さまざまな御意見、御要望をいただいているところです。
また、全国を見渡すと、未利用となった公共施設の再利用が民間ベースで進められています。例えば、ウェブメディアの公共R不動産では、行政が再利用を目指している物件や活用事例を紹介してくれていますし、具体的に魅力的な再利用も勧めています。
例えば、沼津市では、約四十年前に建てられ、維持するだけでも年間数千万円の赤字を出す沼津市立少年自然の家を民間に賃貸し、財政負担を軽くするのと同時に、時代に合った新しい使い方を模索することにし、公共R不動産へ沼津市は相談に行ったそうです。そして、今では「公園に泊まろう」というコンセプトのインザパークというすばらしい施設に生まれかわり、人気を博しています。
そこで、湖西警察署に限らず、未利用となった県有施設の建物付土地の売却について県はどのように今後進めていくのか、県の所見を伺います。
次に、定時制高校について伺います。
定時制高校と言えば、昔は生活のためにやむを得ず働くことを余儀なくされる若者が昼間働き、夜間に高校教育を受けるために通う高校でありました。しかし現在では、これがさま変わりしており、中学時代に不登校だった生徒や外国人の生徒など、精神面や学習を進めること自体に課題を抱える生徒も少なくありません。親の家計収入が低く、家庭生活にも問題を抱える生徒もいるようです。
それにもかかわらず、満足のいく食事をとらないで授業を受け、防寒が十分にできていない夜間の教室で学んでいるなど、環境面の充実が求められている現状があります。また、教員が少ないために、時には職員室に誰もいない状況が見受けられ、もしも授業中に何か問題が発生すれば、授業が中断してしまうような状況が生まれます。
しかし、このような状況に対して、ボランティアの皆様がすばらしい活動をしています。例えば、私の地元、新居高校では、浜松の認定NPO法人のN-Pocketさんにより、子供たちがふらっと立ち寄ってお菓子や食べ物をつまめるスペースをつくり、雑談していく中で、進路や生活の悩みを拾っていく「校内カフェ」という取り組みをしてくださっています。そしてこの取り組みには、生徒に、世の中捨てたもんじゃないと思わせてくださる、すばらしい新居高校の先生方の存在があり、実現していることも強調したいと思います。
私も一日参加させていただきましたが、先生や親以外の大人とつながるきっかけとしてすばらしい取り組みであり、他の定時制高校にもぜひ広がってほしいと感じています。
そこで、県教育委員会として、定時制高校における教育の充実についてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
次に、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについて伺います。
いじめの認知件数や不登校者数の増加により、学校が対応しなければならない事案は数多くあります。その背景には、友人関係のトラブル、発達上の課題、学習・進学の悩み、家庭内不和、経済事情などがあると言われています。こうした事案に対応するために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが持つ「専門的な視点を生かした支援」の必要性が求められており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員が現場から求められています。さらには、近年、複雑化・多様化する相談内容に適切に対応するために高度な知識が必要不可欠であり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのスキルアップが必要であると考えます。
そこで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる教育相談体制の充実を図るために、どのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
(経営管理部長 杉山行由君登壇)
○経営管理部長(杉山行由君) 未利用となった県有施設の建物付土地の売却についてお答えいたします。
県として、今後、有効活用できる見込みのない県有施設につきましては、地元市町等へ施設の情報を幅広く提供し、公共的、公益的な利用を優先しております。また、そうした需要がない場合には、一般競争入札により民間事業者へ売却を行っております。
これまで、未利用施設は老朽化したものが多く、建物を解体の上、更地にして売却しておりますが、建物が利用できると判断したものにつきましては、売却手続の迅速化や解体経費等のコスト削減のため、建物付で売却する手法も、平成二十六年度から積極的に取り入れております。
今後は、県有施設の最適化を進める中で、市場価値のある施設が廃止されるケースの増加が見込まれております。このため、これまでの売却に加えて、未利用施設の活用に向けた民間企業との情報交換の場の設定や、民間の提案を幅広く募集するサウンディング調査を実施し、県有財産の活用の方向性を決定する「ファシリティマネジメント委員会」におきまして、民間アイデアを取り入れた貸し付けなど、多様な活用手法を検討してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木教育部長。
(教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 定時制高校についてお答えいたします。
県内には、二十一校の定時制高校があり、約三千人の生徒が在籍をしております。この中には、不登校や中途退学経験者、発達障害など、特別な支援を必要とする生徒が在籍しており、また、外国籍の生徒も増加傾向にあります。このため、各学校では、基礎学力の定着に向け、教員が丁寧な指導を心がけるとともに、退職教員や大学生などの力を借りて、よりきめ細かな支援に取り組んでおります。
また、生徒の心の健康に関する相談に応じるため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを重点的に配置しているほか、外国人生徒に対しましては、外国語が堪能な地域の人材を招き、日本語の指導を行っております。就労に向けましては、教員だけでは十分対応できていなかったため、昨年度から、外部委託により就職コーディネーターを配置し、個々の生徒に合った進路カウンセリングや就職活動の指導、求人開拓やインターンシップなどを実施しております。
県教育委員会といたしましては、定時制高校の生徒が「生きる力」を身につけ、社会で自立できるよう、議員から御紹介いただいた新居高校のような「定時制高校の応援団の輪」をさらに広げ、きめ細かな教育の実践に取り組んでまいります。
次に、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについてであります。
議員御指摘のとおり、近年、さまざまな問題を背景に、容易には解決できない、いじめや不登校、貧困、児童虐待などの事案が増加しており、専門的な知識を有するスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーは、学校現場に不可欠な存在となっております。県教育委員会では、平成十三年度から配置を進めてきており、各学校での支援の時間に長短はあるものの、平成二十八年度までに、全小中学校に対し支援できる体制を整備しております。本年度は、新たに、児童生徒数が多い四つの中学校区に、常駐するスクールカウンセラーを配置したところであり、学校からは、問題の早期発見や解決に結びつくなどの成果とともに、速やかな相談が可能で、教員の安心感にもつながるとの声が聞かれております。
また、スキルアップにつきましては、専門的知識に加えて、学校での役割についての理解や現場に即した実践的スキルを取得するため、実際の事例に基づく研修会の開催や、大学教授や有識者から指導助言を受ける機会を設けております。学校には、子供たちの声を拾い、支援の手を差し伸べることが求められております。
県教育委員会といたしましては、今後も、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実と資質・能力の向上に取り組み、児童生徒一人一人に寄り添った支援に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 田内浩之君。
(二十一番 田内浩之君登壇)
○二十一番(田内浩之君) 御答弁ありがとうございました。
三点要望させていただきます。
まず、未利用となった県有施設の建物付土地の売却についてですが、前向きな御答弁ありがとうございます。
二点、御要望がありまして、まず一点目なんですけれども、各市町でも建物付土地という使い勝手がいまいちよくない未利用となったものがふえてくると思うんですね。ですので、各市町さんの情報を収集して、県で民間企業さんとやりとりするということも必要になってくると思いますので、取り組みを進めていただければと思います。
あと、二点目ですが、先ほど部長からも、民間企業さんとのやりとりをふやすとお話がありました。先ほど申し上げた公共R不動産というところは、非常におもしろいことをやっていまして、今度、企業さんがこういう公共物が欲しいですと、企業さんがプレゼンテーションをして、それに対して、自治体さんが、うちにこういうものありますと手を挙げるというおもしろいことをやるそうです。私もまだまだ勉強不足ですので、公共Rさんに。行ってみたいなと。
あと、定時制高校についてですが、ボランティアさんの件に関しましては、本当に前向きな御答弁ありがとうございました。ぜひ御支援をお願いしたいと思います。
あと、特に私が何とかしてほしいのが給食です。定時制高校の生徒さんにお話を伺うと、きょう一食も食べていませんとか、食べてもですね、しばらくカップラーメンしかやっぱり食べていませんというようなことも聞きます。ですので、そういった子供たちの給食に税金を投入させていただくというのは、県民の方から文句は出てこないと思います。何とかしてほしいと思いますので、取り組みをしていただければと思います。
あと、給食の場で、友達同士、ゆっくり会話をして悩みも相談できるという、いい効果も出てくると思います。
七番のスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについてですが、二点要望がございます。
スクールカウンセラーですけれども、非常勤の方がほとんどということですので、やっぱり常勤化をしていただきたいなと思います。常勤化することによって、お子さんたちも安定をしてくるという、いい連鎖が出てくると思いますので、ぜひ御検討をお願いいたします。
二点目ですけども、スクールカウンセラーの方の研修費の補助というのも御検討をいただければと思います。スクールカウンセラーの皆様は自分で研さんを積んでいくいくのですが、研修費用を自費で払っている方がほとんどだそうです。それは行政で払うべきものかなと考えますので、一度調査をしていただいて、そういった実態があるのであれば、何とか対策をしていただければと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(渥美泰一君) これで田内浩之君の質問は終わりました。