昨日6月30日に県議会本会議にて一般質問を行ないました。
新聞に取り上げていただいた、農林水産物の販売促進と教育環境改善についての質問を含めすべての質問と答弁を掲載させていただきました。
長年の課題であります、浜名バイパス大倉戸インタ―チェンジと鷲津を結ぶ都市計画道路大倉戸茶屋松線を具体的にどのように進めていくのかについての言及もありますので是非ご覧ください。
コロナの医療対策については後日開催される県議会厚生委員会にて議論をかわします。
項 目 1 中小製造業への支援について
答弁者 経済産業部長
質問要旨 コロナウイルスにより様々な産業が影響を受けており、県の基幹産業の製造業も例外ではない。特に輸送用機器関連に関しては、大手自動車メーカーの工場稼動の停止や稼働日数の縮減により大きな影響を受けている。
今後も厳しい状況が続くと予想されることから、様々な支援が製造業に対して必要になってくると思われる。
切り口は2つあると考えている。1つ目は、キャッシュの確保への支援である。県制度融資の手続き等を速やかに実行し、1日でも早く運営資金を企業の手元に届ける必要がある。
2つ目は、業態転換への支援である。県も、これに対しては様々な制度を設けているが、更なる拡充が求められている。
製造業への支援について、どのように取組を進めるのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
中小製造業への支援についてお答えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大は世界に及び、自動車関連産業をはじめとした製造業に深刻な影響が出ております。生産調整を余儀なくされた工場は、今なお本格的な再開には至らず、急激に減少した需要の回復は見通せないままとなっております。中小製造業にとりましては事業継続の正念場であり、そのための資金繰り支援が極めて重要となっております。県では、国の第2次補正予算に呼応いたしまして、国連携型の制度融資の大幅な拡充を図ったところでありますが、この資金を速やかに企業の皆様の手元に届けることが必要であります。
このため、県では、金融機関や信用保証協会などと連携いたしまして、制度融資の手続の迅速化に努めているところであります。特に国連携貸付の申込みが殺到する中、信用保証協会におきましては、審査部門の大幅な増員や支店への担当役員の配置による判断の迅速化等によりまして、約10営業日で審査を完了させております。県といたしましても、引き続き、新制度に対する照会などに即応する体制を整え、金融機関や信用保証協会ができる限り速やかに審査手続きを進められるよう、一層の連携強化を図ってまいります。
次に、新業種への転換支援につきましては、新型コロナ危機を契機に、デジタル技術の活用などにより、新たな分野に挑戦する企業が出始めております。このため、県では、新たに業種・業態転換やオンラインサービスなどに取り組む中小企業等を支援する助成制度を創設いたしました。中小製造業をはじめ、多くの企業の皆様から申込みがあり、過日、先議を頂いた6月補正予算で3億円の増額補正を行ったところであります。
新型コロナ危機に臨んで、直面する変化を前向きに捉え、それを乗り越えて新ビジネスを生み出していく、こうした企業の動きは、事業継続力の強化につながる成長戦略そのものであり、県といたしましては、本事業の成果を踏まえ、中小製造業をはじめ、挑戦する県内企業の皆様への一層の支援強化を図ってまいります。
以上であります。
項 目 2 県産農林水産物のeコマースについて
答弁者 難波副知事
質問要旨 食品等の分野におけるeコマースの市場は未だれい明期にあると言えるが、新型コロナウイルス感染症による「新しい生活様式」への変化で、eコマースの需要は今後一層高まると考えられる。
eコマースは取引形態により、一般消費者向けのインターネット通販(BtoC)、外食産業や小売スーパー向け(BtoB)、ネットオークション(CtoC)などに分かれ、実施方法も、既存の民間サイトの利用や独自サイトの新規開設などがある。
eコマースの市場に多くの事業者の参入が進む中で、販売を拡大するためには、独自性をいかに出していくかが重要であるが、県では、「バイ・シズオカ」の取組を進めており、食の都でもあるため、全国トップレベルの独自性を出せるものと確信している。
県産農林水産物のeコマースについてどのように取組を進めるのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
県産農林水産物のeコマースについてお答えをいたします。
eコマース、いわゆる「電子商取引」は、内容によって「ネット通販」などと呼ばれるように、製品やサービスをインターネット上で売買取引するものです。こうした取引は、その利便性から、既に大きな市場を形成しているところですが、新型コロナウイルスを契機に、非接触で取引できるeコマースの需要は、今後一層高まるものと予想されております。
県でも、売上げが著しく減少した農林水産物を中心に、既に4月補正予算におきまして、eコマースを活用し、JA静岡経済連のECサイト「しずおか 手しお屋」と連携して、県民による県産品の消費促進を目的とする「バイ・シズオカ」運動を展開しているところです。5月1日から6月25日までの約2か月間で8,519件、約3,200万円を売り上げ、生産者への利益の還元と消費の喚起に一定の成果を上げつつあるものと考えております。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代は、こうしたオンライン取引が今後ますますその重要性を増してくるものと考えております。一方で、「楽天」や「アマゾン」のような広大なバーチャル市場が広がり、多くの事業者の商品がその中に並ぶ中、いかに出品する商品の独自性や他にはない魅力を人々が評価し、購入していただけるかが課題となります。
このため、県では、山梨県と連携し、それぞれの特産品をセットで販売する、「バイ・ふじのくに」の取組として、新しい付加価値を付けた商品開発を行っているところであります。また、これまでインターネット通販での取扱いが難しかった、キンメダイやイセエビなどの鮮魚を出品する仕組みを構築するなど、購買者が魅力を感じる新たなビジネス創出に取り組んでまいります。
加えて、7月中旬からは、「47クラブ」など、3つのECサイトにおきまして、本県産の農林水産物を全国に向けて販売してまいります。そこでは、食材の王国にふさわしい、多彩で高品質な農林水産物を数多く出品するほか、「しずおか食セレクション」や「ふじのくに新商品セレクション」などの厳選された認定商品なども幅広く取り扱ってまいります。新たなブランド形成を進めることが必要ですが、他のサイトや商品との差別化を行い、サイトへのアクセスを高め、認知サイトとして販売の促進につなげてまいります。
県といたしましては、eコマースの積極的な活用により、食材の王国である本県産の農林水産物や食品の一層の販路拡大につなげていくとともに、アフターコロナの時代を見据え、デジタル技術を駆使した新たな流通システムの構築や販売チャンネルの開拓などに積極的に取り組んでまいります。
以上であります。
項 目 3 ふじのくに地域医療支援センターについて
答弁者 知事
質問要旨 県では、ふじのくに地域医療支援センターが医師確保対策の中心的役割を担ってきたが、医師確保に関する会議体を地域医療対策協議会に集約する今般の医療法等の一部改正に合わせ、同センターの在り方や機能を見直すべきと考える。
例えば、浜松医科大学に同センターの本部機能を移すことなどは検討に値すると思料するが、ふじのくに地域医療支援センターの今後の在り方や機能についてどのように考えているのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
田内議員にお答えいたします。ふじのくに地域医療支援センターについてであります。
本県は、全国に先駆けまして「ふじのくに地域医療支援センター」を設置いたしまして、ノーベル生理学・医学賞を受賞されるであろうということを見越しながら本庶先生に理事長をお引き受けいただいて、事実、受賞された訳ですけれども、医師確保の方策を御議論賜り、医学修学研修資金の貸与や医師の配置調整等に取り組んできたところであります。
特に、本県が全国最大規模を誇る医学修学研修資金につきましては、本庶先生にバーチャルメディカルカレッジの学長をお引き受けいただいておりまして、そうしたことが功を奏しまして、累計で1,200人を超える方が利用しており、本年4月1日現在の県内勤務者は、返還免除期間を終えた後も引き続き勤務している104人も含めますと522人となるなど、着実に成果が現れております。
「ふじのくに地域医療支援センター」が行う医師確保対策につきましては、医療法の改正に伴い、本年度から協議いただく場を静岡県医療対策協議会に移すこととなりました。協議会には、浜松医科大学のほか、県医師会や県病院協会、市町等、幅広い方々が参画し、多角的に御議論いただいており、協議会内の「医師確保部会」において審議された基本方針に沿いまして、地域医療支援センターの各種事業を実施していくこととしております。
地域医療支援センターは、全県的な視点で医師確保に取り組むことが必要でありますことから、引き続き県が運営を担うことといたしまして、医師の配置調整機能の一端を担っていただいております浜松医科大学とも連携を図りながら、医療対策協議会の皆様から頂戴いたしました貴重な御意見を着実に反映して、より効果的な医師確保対策を進めてまいる所存であります。
県といたしましては、今後も関係者の皆様と連携しつつ、本県が最重要施策の一つに位置付けている医師確保対策に全力で取り組むことにより、県民の皆様が安心して医療サービスを受けることのできる医療提供体制づくりを推進してまいります。
以上でございます。
項 目 4 アダプティブ・ラーニングの推進について
答弁者 教育長
質問要旨 アダプティブ・ラーニングとは、生徒一人ひとりに「最適化」された教材を提供し、効率的に学習を進めていく方法のことである。
AIやIoTが発達する社会では、異分野をつなげる力と新たな物事にチャレンジする企業家精神が必要であるが、基礎学力はもちろん、科学、技術、工学、芸術、数学の頭文字をとったSTAEM教育も必要だと様々な文献にある。
今後は、STEAM教育や課題解決型のプログラムが増え、教科学習についてもEdTechが広まることで、学習環境も大きく変わり、例えば、生徒の学習活動の補助や深い探求方法の示唆など、教師の役割が変わることが予想される。
アダプティブ・ラーニングを使うと、自分の理解度にあった問題が出題され、効率的に学ぶことができ、一斉授業における「簡単すぎて聞く意味がない」「難しすぎてつらい」といった問題が解消できる。
アダプティブ・ラーニングへの取組をどのように進めていくのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
アダプティブ・ラーニングの推進についてお答えいたします。
アダプティブ・ラーニングは、個々の児童生徒の習熟度に応じた学びの提供や、効率的な授業展開などに活用できる有効な手段であります。現在、小・中学校では、GIGA(ギガ)スクール構想に基づく1人1台端末の整備を、また、高等学校では計画的なタブレット端末の配置を行っており、アダプティブ・ラーニングの実施に必要なハードウェアの整備が進められております。
本県では、一昨年度から袋井市におきまして、経済産業省の「未来の教室」実証事業を活用してアダプティブ・ラーニングを実践しております。児童の理解がスムーズに進むことにより生まれた授業時間を、グループで互いに学び合い、理解を深める協働学習に振り向けたり、採点などの事務作業が省力化される効果が見られております。一方、教員には、児童の習熟度を逐次把握して個々に応じた指導を行う専門的なスキルが求められる、といった状況も明らかになりました。
今年度は、県立高等学校におきましても、浜松工業高校ほか6校で、数学や情報の教科において実証事業を行うこととしております。今後、小・中・高等学校における教材の効果や課題につきまして、本年5月に設置した静岡県ICT教育推進協議会を通して、県と市町が情報を共有し、アダプティブ・ラーニングの普及に向けた事業の協働実施や課題解決に向けた検討を進めてまいります。
県教育委員会といたしましては、Society5.0の未来社会において、本県の将来を担う子供たちが大いに活躍できるよう、アダプティブ・ラーニングなどICTを活用した効果的な学習手法の導入を推進し、児童生徒の学びの質の向上に努めてまいります。
以上であります。
<再質問>
今、色々な民間企業で、様々なアダプティブ・ラーニングに向けたタブレット教材が開発されているが、非常に素晴らしい教材を選ぶということが大事な観点だと思う。教材選びに関して、どのように進めていくのか伺う。
<答弁内容【再質問】(答弁者:教育部長)>
ソフトウェアの導入に関する再質問にお答えします。
こちらにつきましては各市町教育委員会や、各高等学校にそれぞれ合ったソフトウェアが必要になってくると考えております。
先ほど教育長から御答弁申し上げましたとおり、高等学校でも今年度、実証事業を行いますけれども、複数の事業者の方のソフトを活用しながら検証していくことを考えておりますので、今後、ICT教育推進協議会を通じまして、県と各市町におきまして情報共有をしながら、どういったソフトがそれぞれ適しているのかということを検討してまいりたいと思います。
以上であります。
項 目 5 未利用となった県有施設の再利用について
答弁者 経営管理部長
質問要旨 過去に建設された大量の公共施設が、今後一気に更新時期を迎え、財政負担は厳しさを増すことが見込まれる。
県有施設においても、個別施設計画や削減目標に基づく総量適正化の取組を進めていく過程で、まだ利用できそうな建物でも未利用になる可能性が出てくる。
未利用施設は、更地売却を原則としているが、建物を残したまま売却することもある中で、長年地域に貢献した施設などは、用途終了後も地域のシンボル的な建物として、活用してくことが期待される。
例えば、私の地元の湖西警察署も、40年余り湖西市の治安を守ってきたが、津波浸水区域の立地から、耐用年数を残しつつ、令和3年春の移転が決定している。
地元からは、地域振興等の目的で、再利用を希望する声もあり、県でもサウンディング調査をしたと聞く。
耐用年数を残した状態で未利用となる県有施設の再利用について、建物付き売却や貸付け等、両方の可能性のもとに地域の要望を踏まえた再利用を進めて欲しいが、今後どのように取り組むのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
未利用となった県有施設の再利用についてお答えいたします。
行政目的が達成され、役割を終えた県有施設は、まず、県として新たな活用ができないかを検討いたしますが、活用の見通しがない場合、一般競争入札による売却処分をすることとしております。
売却処分に当たりましては、事前に地元市町からの公共的、あるいは公益的な利用の要望に応えることとしておりますが、特に、地域に根ざした施設の処分に当たりましては、周辺住民の皆様に与える影響にも配慮する必要があると考えております。
これまでも、伊豆の国市の要請により、旧大仁高校の校舎を市民交流センターとして貸し付けた事例、あるいは旧老人保養施設寿荘を地元からの要望を踏まえ、旅館業の継続を入札要件として、事業者に売却した事例などがございます。
今後とも、早い段階から未利用施設の売却情報を公開し、関係市町を通じて地元の意向を丁寧に伺うとともに、サウンディング調査などにより、民間から有効活用についてアイデアを募るなど、地域の要望を踏まえた県有施設の効果的な処分に努めてまいります。
以上であります。
項 目 6 自転車利用の拡大に係る自転車通勤の促進について
答弁者 スポーツ・文化観光部長
質問要旨 平成29年5月に自転車活用推進法が施行され、本県においても様々な自転車利用促進策に取り組んでいる。現在は、観光の切り口での利用促進が進んでいるが、自転車通勤など日常生活での利用の促進が必要だと考える。
自転車利用には、様々なメリットが考えられるが、なかでも自転車通勤には、通勤時間の短縮、身体・精神の健康増進、CO2削減、また、企業においても経費の削減等のメリットがあるため、例えば、ヤマハ発動機では自転車通勤手当の支給を行っており、デンソーでは自転車通勤によるポイント制度を行っている。
また、湖西市は朝晩の幹線道路の渋滞が大変激しいという課題を抱えているが、自転車通勤が促進されれば渋滞解消にも繋がる。
自転車利用の拡大に係る自転車通勤の取組をどのように進めていくのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
自転車利用の拡大に係る自転車通勤の促進についてお答えいたします。
県では、昨年3月、「静岡県自転車活用推進計画」を策定し、取り組むべき施策として「自転車通勤の促進」を掲げたところであります。新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるため、自転車通勤が注目され、その促進がより重要になっております。
本議会で「自転車通勤推進企業宣言プロジェクト」促進のための予算を御議決いただいたところでありますが、このプロジェクトでは、自転車通勤の導入に取り組む「宣言企業」を幅広く募集し、模範となる企業を県独自に表彰するなど、自転車通勤の定着に取り組んでまいります。
また、県内の多くの企業が「宣言企業」として認定されるよう、Web研修システムを構築し、交通安全ルールやマナーの啓発、駐輪場の確保、通勤途上での事故対応、休日利用の楽しみ方などのコンテンツを盛り込むとともに、県内商工会議所の会員企業に向け、制度の周知を図るなど、企業の取組を支援してまいります。
さらに、自転車通勤を積極的に促進するため、広く県民の皆様に向けてWebサイト「Shizuoka Cycling」や県スポーツ局が管理する公式ツイッターなどのSNSを活用し、情報発信してまいります。
県といたしましては、新型コロナウイルス対策はもちろんのこと、通勤時間の短縮や健康増進、企業の経費節減など、大きな効果がある自転車通勤の拡大に、県内企業と連携して取り組むとともに、自転車利用の魅力も合わせて発信することで、自転車文化の醸成につなげてまいります。
項 目 7 浜名湖景観形成行動計画の推進について
答弁者 交通基盤部長
質問要旨 浜名湖は、美しい自然景観を有し、浜名湖県立自然公園に指定されている。また、新居の関所や気賀の関所をはじめとする歴史的景観も形成されており、多くの人々の目を喜ばせている。私たち地元に住むものは、浜名湖の美しい自然景観を守り後世に残したいと強い思いを持っているが、県も同じ思いで今回、「浜名湖景観形成行動計画」を策定した。関係各位の皆様には改めて感謝申し上げる。
本年からはいよいよ実現に向けて動いていくが、浜名湖景観形成行動計画をどのように進めていくのか、県の所見を伺う。
<答弁内容>
浜名湖景観形成行動計画の推進についてお答えいたします。
県では、景観形成の方針や主要な方策を示した「ふじのくに景観形成計画」を平成29年3月に策定し、富士山や伊豆半島など、本県を印象付ける7つの広域景観を設定し、美しい景観づくりを進めております。このうち、浜名湖におきましては、浜松市、湖西市と連携し、本年3月に、「浜名湖景観形成行動計画」を策定したところであります。
この計画では、広大な湖面を望むことができる浜名湖サイクリングロードを軸とする主要な道路を含む範囲を対象とし、「連続性のある沿道の景観づくり」、「自然豊かな浜名湖の眺望景観づくり」などを基本方針に掲げ、本年度から令和11年度までを計画期間とし、県と両市が協力して環浜名湖の景観づくりを進めることとしております。
今年度は、地域のNPOや観光団体等と意見交換を行いながら、湖岸の景観改善としてサイクリングロードの防護柵の修景や眺望を妨げている樹木等の除去及び幹線道路における屋外広告物の適正化などを進めてまいります。また、行動計画の進捗を管理し、効果を検証しながら、次年度以降の取組に反映してまいります。
県といたしましては、両市との連携の下、本計画に基づき遠江八景で知られる浜名湖の美しい景観づくりを推進し、「ふじのくに回遊式庭園」の実現を目指してまいります。
項 目 8 浜名湖西岸地区における工業団地のアクセス道路について
答弁者 交通基盤部長
質問要旨 都市計画道路大倉戸茶屋松線は平成29年に計画決定された湖西市の沿岸部と中心部をつなぐ道路である。湖西市内における渋滞解消、沿岸部から中心部へのアクセス向上、沿岸部の津波対策のために長年建設が待ち望まれている道路である。
この道路の計画地付近にはハイブリット車用等のバッテリーを製造する民間企業を誘致しており、令和5年の一部操業開始を目指していることから、産業道路としての必要性も高い。
現在、現地では河川の付替工事などが進み、秋以降は、土地区画整理事業による本格的な工業団地の造成に着手する計画である。アクセス道路となる同路線については、湖西市が、国道1号大倉戸ICから工業団地南側までの区間の整備を着々と進めており、操業時に必要となる南側の道路網は供用できる予定である。
一方で、工業団地北側の既存道路は幅員が狭小のため、操業後も湖西市中心部とのアクセスに課題が残ると思われる。この北側区間は、JR東海道新幹線を跨ぐ箇所や市街地を通過する箇所があるなど整備に当たっては困難な状況が見受けられる。
企業の進出を推進する県にとっても大変重要な道路であると考えているが、本区間の整備の方向性について、県の所見を伺う。
<答弁内容>
次に、浜名湖西岸地区における工業団地のアクセス道路についてであります。
新たな工業団地へのアクセス道路となる都市計画道路大倉戸茶屋松線は、重要物流道路でもある国道1号浜名バイパスから北上して、国道301号に至る、浜名湖西岸地域の南北軸を形成する重要な路線であり、延長約5.2kmのうち、これまでに湖西市中心部の2kmの整備が完了しております。
今後整備が必要な3.2kmのうち、国道1号バイパスから工業団地南側までの1.6kmにつきましては、湖西市が道路事業により整備を進めており、また、工業団地の区域に含まれる1kmにつきましては、今年度から浜名湖西岸土地区画整理組合により整備が進められる予定であります。
残りの未整備区間である工業団地北側の600mにつきましては、新幹線跨線橋を含む南側の区間を、この土地区画整理事業により一体的に整備をし、また北側の市街化区域を通過する区間を、県が街路整備事業により整備する方針につきまして、湖西市と確認をしております。現在、早期の事業化を目指して、市とともに国やJR東海等関係機関との協議を鋭意進めているところであります。
県といたしましては、引き続き湖西市等と連携し、浜名湖西岸地域の産業や都市活動を支える本道路の着実な整備に取り組んでまいります。
項 目 9 浜名湖舟運について
答弁者 交通基盤部長
質問要旨 浜名湖周辺地域は、平成26年7月に国土交通省観光庁から「浜名湖観光圏」の認定を受けた日本有数の観光ブランド地域であり、浜名湖を中心として、浜名湖ガーデンパークなどの集客施設や、遠江八景を始めとした美しいビュースポットなど、多くの観光資源を活かした観光地域づくりが進められている。
また、浜名湖周辺地域を取り巻くインフラネットワークとしては、天竜浜名湖鉄道などの公共交通機関や主要幹線道路、近年では、「ハマイチ」の愛称で知られる浜名湖一周サイクリングにも使われるサイクリングロードなどがあるが、それぞれ交流人口の拡大に大きな役割を果たしている。
このような多くの観光資源や充実したインフラネットワークを活用して、さらなる利便性の向上による地域活性化を実現するため、民間の交通インフラである「舟運」の活用を目指す気運が、地元の民間事業者を中心に高まっている。
こうした「舟運」を活用する取組は、国内では、東京の隅田川や、国外でもオランダのアムステルダムの水上タクシーなど各地で展開されており、浜名湖周辺地域においてもその有効性は十分に期待できる。
民間事業者を中心とした舟運事業化の動きについて積極的に支援する必要があると考えるが、県の所見を伺う。
<答弁内容>
次に、浜名湖舟運についてであります。
浜名湖では現在、奥浜名湖におきまして東名高速道路のサービスエリアを拠点とした遊覧船事業がNPO法人により行われております。また、浜名湖全体を視野に入れた舟運による地域活性化につきまして、行政や地元観光団体等で構成する浜名湖観光圏整備推進協議会を中心に継続的に議論が進められているところであります。
昨年度、官民が連携して開催した「浜名湖ミナトリング」におきまして、県は、新居地区にある県の港湾施設を起点に湖岸の複数の観光拠点を結ぶ舟運の社会実験を実施し、御参加いただきました皆様に対し、料金やルート設定などに関する調査を行いました。その結果、乗船すること自体が魅力的な体験であるとともに、浜名湖沿岸の拠点を移動する有効な交通手段となり得ることを確認いたしました。
この結果を踏まえ、今年度は、舟運を事業化するための課題であります採算性の確保につきまして、地元関係者の皆様に御協力をいただき、複数のモデルルートを設定して、ニーズの把握や収支バランスなどを調査を行い、その成果を関係する皆様と共有して、今後の検討に活用してまいります。
県といたしましては、民間事業者による持続可能な舟運事業の実現に向けた取組を積極的に支援し、浜名湖周辺の更なる魅力の向上と地域活性化を推進してまいります。
以上であります。