平成29年2月定例議会が3月16日に閉会になりました。
本年は文化観光委員会の委員長を務めていますので、県議会本会議最終日に委員長報告(委員会の内容を要約したもの)行いました。
以下に掲載いたします。
文化観光委員会における審査等(とう)の概要(がいよう)と結果について、御報告いたします。
今回、当委員会に付託されました案件は、第1号議案「平成29年度静岡県一般会計予算」外(ほか)4件であります。
まず委員から、議案第1号に関し、サイクルスポーツ県づくり事業におけるサイクルツーリズムの聖地の創造に向けた取り組み内容についてただしたところ、当局から、今年度設置したサイクルスポーツ協議会において、サイクリストに対する県内の多様なコースの情報発信や休憩、修理ができる施設の整備などが課題となった。さまざまなレベルのサイクリストを対象としたコース等を紹介し、サイクリストからも投稿が可能な多言語表示のウエブサイトを構築するとともに、サイクリストが休憩し、自転車の修理ができるスポットを東部・伊豆地域から整備していく。さらに昨年実施したFUJI-ZONCOLANヒルクライムin小山町を10月に開催し台湾からサイクリストを迎えるほか、イタリアとの交流では8月に行われる大会に向け民間の旅行会社がツアーを企画していくとの答弁がありました。
次に、同じく議案第1号に関し、富士山世界遺産センター(仮称)管理運営事業費における来館促進事業の内容とセンターを観光交流拠点にするための取り組みについてただしたところ、当局から、ポスター、電車内の中吊り広告、ホームページの開設等による広報や内覧会の開催などを予定している。また、テレビ、新聞、旅行雑誌への情報発信や旅行業者、教育機関などへの営業活動も行っていく。観光交流拠点に向けた取り組みとしては、観光商談会への参加や旅行商品の造成を進めていくほか、JR東海と共同で作成している「まち歩きマップ」によりPRしていく。地域の観光交流拠点として多くのお客様が訪れるよう観光や空港の部署のほかクルーズ船を担当する部署とも連携しながら国内外からの誘客の促進を図っていくとの答弁がありました。
次に、開館から1年を迎えるふじのくに地球環境史ミュージアムのこれまでの総括についてただしたところ、開館前に予測した平準ベースの入館者数である年間8万人は達成するが、1年目の開館効果を期待して見込んでいた数字には及ばなかった。入館者を見ると、学校関係が非常に多いが、小中学校は地球環境史ミュージアムがある静岡市近郊に限られているため、幅広い範囲から来館してもらえるようPRしていきたい。夏休みにナイトミュージアムや体験会を開催するなど家族連れにPRしていくほか、学校を巡回する移動ミュージアムを見た生徒を来館につなげていけるよう学校との連携にも力を入れていきたいとの答弁がありました。
次に、香港をターゲットにしたインバウンドの促進についてただしたところ、本県における平成28年の香港からの延べ宿泊者数は、前年比で114.6%と伸びているが、順位としては、直近の数字で中国、台湾、韓国、アメリカ、タイに次ぐ6番目であり、今後の伸びが期待できる市場である。誘客促進のためには、まず静岡県の認知度を向上させる必要があることから、現地におけるラッピングバス、宿泊予約サイトのバナー広告、本県特設サイトでの広報により情報発信に努めている。また、香港のクルーズ船運営会社「ゲンティ香港」との連携により清水港が国際クルーズ拠点となることで、クルーズ船の寄港や滞在がふえることが期待できることから、この機を捉え本県の魅力を発信し体験してもらうことで再訪を促進していく。なお、今後は、静岡ツーリズムビューローのインバウンド戦略に基づき効果的な施策の展開を図っていきたいとの答弁がありました。
そのほか、●議案第53号に関し、条例改正における富士山静岡空港着陸料減免期間延長の意義、●静岡ツーリズムビューローに関し、県から移管する業務の内容と県職員を派遣する目的、●富士山保全協力金の受付体制見直しによる効果や徴収方法、●静岡文化芸術大学における県内、県外就職率の状況、●「文化力の拠点」整備に関し、県による国際学生寮整備の必要性や今後の進め方などについても質疑等(とう)がありました。
以上が当委員会における審査等(とう)の概要でありますが、結果といたしましては、議案第1号、第37号、第53号、第72号及び第77号は、全員一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上で委員長報告を終わります。